AI機能による積算は実現するか!?

積算とは?

皆さんは「積算」をご存知でしょうか。「積算」と聞くと何が思い浮かぶでしょうか。
Wikipediaで積算の意味を調べてみました。

積算(せきさん)とは、一般的には数値を次々に加えていくことをいう。数学ではこのことを総和と言い、積算は経済分野での用語である。集めて計算すること。数をつぎつぎに加えて計算すること。また、その合計した額。累計を表す。

wikipedia


建築業界における「積算」は大きく二つに分かれていると思います。
金額を出すための積算と材料の数量を出すための「積算」です。
具体的に何が違うかというと、工事費を積算する場合、その時点では材料が決まっていないことが多いです。

仕上げ材で言うと、何種類もの材料が貼り分けられるケースがあったとしても、見積書上では〇〇円の量産クロスが〇〇mという形でくくられてしまいます。
そのため、実際に現場においては必要な材料を品番ごとに整理して再度計算し、発注する必要があります。

親会社が内装工事会社である当社では、この積算ソフト「建築の電卓」を導入する前はリアルに2回の積算を行っていました。
往々にして見積もりを作るうえでの積算は、お客様に過剰に請求してしまう可能性を秘めてはいますが、建設会社にとってはある意味ざっくりでも問題ありません。
材料発注時の2度目の積算で厳密にやればいいからです。
仮にお客様への請求数量よりも実際に多い材料が必要になったとしても、社内で被ればいいという思いがあります。

建築の電卓を使うと

「建築の電卓」を使うと、見積もり作成時に作った積算ファイル(ソフトで作成するため、1物件の積算結果が一つのファイルとして出来上がります)が、これが発注時まで活きてきます。

あとから品番を入力するだけで、その部屋ごとだとか、壁ごとに違う材料を貼ることができる上、正しい手順さえ踏めば、複雑な材料の貼り分けも後からできます。

工事現場に必要なもの

さらにこのソフトには建設業ならではの一工夫があります。
ロスという考え方です。

この「建築の電卓」を使用した積算作業においては、パソコンで1枚単位、1㎝単位まで正確な数量を出すことが可能です。
しかし、現場にちょうどの数量を手配する建設会社はありません。

クロスだけ取ってみても、壁高よりも50㎜程度長く裁断し使用します。
この50㎜は最低限必要なロスであり、さらに不測の事態に備え、必ず少し多めの数量を現場に入れ、その余剰分もお客様には請求します。
当然お客様への余剰分の請求は少なければ少ないほどいいに決まっていますが、そのためにはより正確な数量を把握したうえで、適正なロスを見る必要があります。

このソフトには導き出した数量を「ダブルクリック」するとロス分を手入力できるような仕掛けがあります。コンピュータが導き出した数字と人の手によって加えられた数字が整理されて出てくることによって、どのタイミングで誰がロスを加えたのかも把握できるのです。


近年進化し続ける人工知能(AI)ですが、建設業界の積算業務においてAIが経験値を蓄積し、適切な答えを出すような、100%自動化できる時代はもう少し時間がかかりそうです。

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